はじめに
民泊物件を買収する際、最も気をつけなければならないのが「違法民泊」の存在です。
違法な民泊事業を買ってしまうと後々大きなトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
このような違法物件を見分ける方法を知っておくことが、民泊事業を買収する上で非常に重要になります。
この記事では、買う前に違法民泊の見分ける方法をしっかりと解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、トラブル回避のための知識を身につけてください。
適切な物件を選ぶことが民泊事業の成功への第一歩です。
この記事を参考に、安心して事業を開始できるよう心がけましょう。
違法民泊とは?
民泊を営業するには、国の法律や各自治体の条例に基づき許可や届出が義務付けられています。
違法民泊とはこれらの義務を果たしていいない、もしくは法律の目をかい潜り不正な状態で届出が受理されてしまった民泊施設のことです。
違法民泊が問題視される理由は主に2点あります。
1つ目は、安全面での不安です。
許可を得ていないか、もしくは不正な状態で運営しているため、消防設備の基準を満たしていない可能性がありこういう民泊施設は宿泊者の安全が守られません。
2つ目は近隣トラブルの発生です。
民泊の営業は周辺住民への事前説明が条件とされているため、無届けだと理解を得られず騒音などの迷惑につながるおそれがあります。
このように違法民泊は、宿泊者や周辺住民の安全やプライバシーを脅かす深刻な問題なのです。
したがって民泊事業を買収する際は、違法運営でないかどうかを必ず確認する必要があります。
違法民泊のリスク
違法民泊を買収してしまうと、あなた自身に様々なリスクが及ぶ可能性があります。
まず第一に行政から是正勧告や営業停止命令、さらには過料などの処分を受ける恐れがあります。
違法営業は法律違反にあたるため、発覚次第に厳しい対応を求められることになります。
次に、宿泊客からの損害賠償請求が発生するリスクも考えられます。
施設の安全基準が満たされていない違法民泊で事故が起これば、宿泊客の生命・身体への被害が及びかねません。
その際には巨額の賠償金を支払わされる可能性があります。
もし死亡事故が起きてしまった場合、懲役刑になっても不思議ではありません。
さらに、周辺住民からの集団訴訟や風評被害のリスクも無視できません。
違法民泊が近隣トラブルの原因になれば、住民から業務停止を求める訴えを起こされる恐れがあります。
このように違法民泊には、法的リスク、事故のリスク、トラブルのリスクなど、事業の存続さえ脅かす深刻な危険が潜んでいるのです。
したがって事業買収の際は違法運営でないかを入念にチェックする必要があります。
違法民泊の見分け方
民泊事業を買収する際、違法な施設に手を出してしまわないよう、しっかりと見極める必要があります。
適切な許可を得ているか、安全面で問題はないか、周辺トラブルの心配はないかなど、様々な観点からチェックを行う必要があります。
そこで、この章では具体的な違法民泊の見分け方について解説していきます。
法令を無視した危険な施設を見逃さず、安全で健全な事業を買収できるよう2つのポイントをご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
違法民泊に手を出してしまえば様々なリスクが発生する恐れがあります。
後々の大きなトラブルを防ぐためにも、この見分け方をしっかり頭に入れておきましょう。
民泊事業を買収するからには、違法施設を完全に排除するための入念なチェックが欠かせません。
この章を注意深く読み進めることで、違法民泊を見破る力がしっかりとついてくるはずです。
本当に営業許可を取っているか確認
違法民泊を見分ける最も基本的なポイントは、適切な営業許可や届出がなされているかどうかを確認することです。
民泊事業をするには、民泊新法(住宅宿泊事業法)の届出、もしくは旅館業法による旅館業の営業許可を取っていなければなりません。
そのため、事業の売主に旅館業営業許可書や住宅宿泊事業の届出済証などの書類の提示を求め、本当に適法に営業しているかどうかをしっかりとチェックする必要があります。
書類が出せない、または不自然な点がある場合は慎重に対応し、自治体の担当窓口に確認を取るなどして違法性の有無を徹底的に調べましょう。
営業許可の有無は最も重要な確認ポイントです。
手順を踏まえず、安易に売主の話を鵜呑みにするようでは正しい判断ができません。
書類の有無を含め、しっかりと確認を行いましょう。
また、営業許可を取った施設かどうかをあなた自身で調べる方法もあります。
東京都新宿区を例にして解説するので是非参考にしてみてください。
自治体が公開している住宅宿泊事業の届出一覧を見る
多くの自治体が住宅宿泊事業の届出住宅の一覧をオンライン上で公開しています。
ここでは例としている東京都新宿区についてのやり方を解説します。
まず「新宿区 住宅宿泊一覧」というワードで検索してください。
そうすると新宿区が公開している”住宅宿泊事業 届出住宅一覧”というページが表示されます。
そのページを開きあなたが買おうとしている民泊の住所があるか確認しましょう。
もし無い場合は売主が住宅宿泊事業の届出をしていないということになります。
参考サイト:届出住宅の公表について – 新宿区
自治体が公開している旅館業施設の一覧を見る
今度は旅館業の場合です。
旅館業の場合は「新宿区 旅館業一覧」と検索してください。
そうすると新宿区が公開している”施設名簿(理容所・美容所・クリーニング所・旅館業)”というページが表示されます。
そのページから旅館業施設一覧を見てあなたが買おうとしている民泊の住所が無ければ旅館業の許可を取っていないということになります。
参考サイト:施設名簿(理容所・美容所・クリーニング所・旅館業) – 新宿区
消防署の検査を通っているか確認
営業許可を得ているかどうかに加え、民泊施設が消防法に基づく消防署の検査に合格しているかも重要な確認ポイントになります。
ただ、旅館業の場合は消防書の検査に合格していないとそもそも許可がおりないので、もし旅館業の許可が取れている場合はこちらは心配いりません。
一方で民泊新法(住宅宿泊事業)の場合は消防署の検査に合格していない場合でも届出が受理されてしまっている場合があります。
もしあなたが買おうとしている民泊がこのパターンの場合は要注意です。
消防署の検査結果通知書を確認する
消防検査では避難経路の確保、消防設備の設置など、宿泊客の安全を守るための基準が厳しくチェックされます。
この検査に不合格の施設は、安全面で重大な問題があると見なされ宿泊施設として認められません。
そのため民泊事業を買収する際は、必ず売主に消防署の検査結果通知書の提示を求める必要があります。
もし検査結果通知書がない場合は実際に消防署に連絡を取り、買おうとしている民泊の検査結果について問い合わせを行うのも有効な手段です。
宿泊施設の安全を確保するためにも、消防検査の有無は必ずチェックが必要です。
書類の確認だけでなく、実際に現地を訪れる等して確認を怠らないよう心がけましょう。
まとめ
違法な民泊事業を買うのはとても危険です。
場合によっては買った後、あなたが民泊を運営できないこともあり得るからです。
この記事では違法民泊を見分ける方法を解説しましたが、もしどうしても分からなければ自治体に電話などで直接聞いてみましょう。
安全に民泊事業をスタートするためには違法民泊の見分け方をしっかりと理解し、トラブルのない事業買収をすることがとても大事です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!